【比較】戸建てとマンションの維持費はどっちが高い?

マイホームの購入を考えた時に、戸建てとマンションのどちらを選択するかは悩ましい問題です。 

お住まいの地域によって、選択肢が限られるケースもありますが、基本的には個人の好みによる部分が大きいといえるでしょう。

家の購入でマンションか戸建てかで迷ったときに、ひとつの指標となるのが維持費です。維持費は、持ち家で暮らしていくうえで、欠かすことができない費用です。想定以上の維持費が発生すれば、生活を圧迫することにもなりかねません。

マンション、戸建ての維持費とは

生活していく上で欠かせない維持費は、マンションや戸建てに住む方々にとって大切な費用の一つです。主に次のような費用が維持費に含まれます。

  • 納税(固定資産税・都市計画税)
  • 火災保険料
  • 駐車場代・駐輪場代(マンションのみ)
  • 管理費(マンションのみ)
  • 修繕積立金(マンションのみ)
  • 修繕費(戸建て・マンションの専有部)

維持費は一般的に、戸建てよりもマンションの方が高いと考えられています。これは、管理費や修繕積立金など、マンション特有の費用が発生するからです。対照的に、戸建てでは修繕にかかる費用は全て住民の負担となります。外壁、屋根、内装、設備などの修繕や交換には、それなりに費用がかかります。

それでは、具体的にマンションと戸建ての維持費がどれくらいかかるのでしょうか。各項目ごとに詳しく確認していきましょう。

納税(固定資産税と都市計画税)

住宅所有者が毎年納めなくてはならない税金には、固定資産税と都市計画税があります。

これらの税金は、毎年の1月1日時点で建物や土地を所有している方が対象となり、その方が納税義務者となります。それぞれの税金にはどのような性質があるのでしょうか。

固定資産税

固定資産税についてですが、この税金は「固定資産税評価額×1.4%」で計算されます。固定資産税評価額は各自治体が3年に1回見直しを行い、「固定資産評価基準」に基づいて評価されるものです。

土地に関しては、住宅が建っている200平方メートル以下の土地には軽減措置があり、課税標準額が1/6に軽減されます。この軽減はマンションや戸建てにかかわらず適用されます。

また、マンションでは土地が共同所有者で割り当てられ、戸数が多い場合、土地の負担が戸建てよりも軽くなります。

建物については、鉄筋コンクリート造のマンションは47年、木造戸建ては22年の耐用年数があります。この違いから、マンションの方が固定資産税評価額が高くなる可能性があります。

都市計画税

都市計画税については、「固定資産税評価額×上限税率0.3%」で計算されます。課税対象は市街化区域内の土地と建物で、市街化区域は市街地または市街地化計画が進行中の区域を指します。郊外や農村部の土地は都市計画税の対象外となることがあります。これらの情報は各自治体のホームページや役所で確認できます。

諸費用は、一軒家を取得する際の不動産手続きに関する費用を指し、建築確認申請費や登記費用、住宅ローンに関連する保険料などが含まれます。諸費用だけでも数百万円かかる場合があり、自己資金が一定程度必要です。諸費用の目安は、物件価格を基にすると、建売住宅の場合は物件価格の6~9%、注文住宅の場合は本体工事費の約10%が一般的です。

火災保険料

住宅ローンを利用する際には、火災保険に加入することが求められることがあります。マンションの場合、火災だけでなく、水漏れが他人の部屋に損害を与える可能性も考慮して、「個人賠償責任保険」の特約を火災保険に追加すると安心です。

通常、火災保険料は月払いではなく、1年~10年分をまとめて支払うのが一般的です。一括で支払うと保険料が割引され、経済的にお得です。

マンションは耐火建築物であるため、木造の戸建てに比べて火災のリスクが低いと見なされ、保険料も安価に設定されています。共有部分の外壁や廊下などはマンション全体でカバーされているため、火災保険料は戸建てに比べて負担が軽減されています。

駐車場代・駐輪場代

戸建てには駐車スペースがあるため、駐車場代はかかりません。また、マンションでも車や二輪車を所有しない場合は、駐車場代は発生しません。

しかし、マンションに住んで車や二輪車を所有する場合、駐車場や駐輪場を借りる必要があり、その料金が毎月発生します。

マンション駐車場の相場は物件の条件やエリアによって異なりますが、一般的には毎月5,000円から3万円程度です。自転車やバイクを停める駐輪場の料金は、1,000円未満が一般的で、負担が少ないですね。

 

  • 常駐する管理員の人件費
  • 管理組合の運営に要する費用
  • マンションを清掃・管理・保全する費用
  • 共用部分(廊下、駐車場、エレベーターなど)の電気代や水道料金
  • 共用部分の電球を交換する費用
  • ゴミを処分する費用
  • エレベーターや貯水槽などの保守点検費用
  • 共用部分の火災保険やその他の損害保険の保険料

調査結果によると、平均管理費は15,956円で、総戸数が大きくなるほど低くなる傾向があります。ただし、年を追うごとに管理費は上昇する傾向があり、相場としては約2万円程度が考えられます。

新築分譲時には管理費が低く設定されることがありますが、これは販売促進の都合があるため、将来的には上昇する可能性があります。また、マンションの経年劣化に伴い、古い物件は修繕にかかる費用が増加します。

修繕積立金

修繕積立金は大規模修繕のための費用で、毎月1万円~1万5千円程度が一般的です。これは、数百万円単位の費用を必要な時に一括で支払うための積立金です。

修繕積立金は、10~15年ごとの大規模修繕工事に使われます。これには床や屋根の防水工事、外壁塗装、鉄部の塗装工事、排水設備工事などが含まれます。未払いを放置すると資金が不足し、管理費や修繕積立金が増加する可能性があります。高齢者が多くなるマンションや、空室が増える場合も将来的な収支悪化が懸念されます。管理組合の健全性は、維持費の面でも重要です。

戸建ての修繕費

マンションには共有部があり、共同で修繕費用を積み立てる一方で、自己所有の戸建てでは修繕が必要な際、全額を自己負担で行います。

しかし、どんな建物も時間の経過に伴う劣化は避けられません。そのため、マンションのように計画的に修繕費用を積み立てることが、戸建てでも重要です。

特に30年以上の経過した戸建てでは、以下の部位の修繕が頻繁に発生します。

  • 外壁
  • 給湯器
  • トイレ・浴室
  • 屋根・防水
  • シロアリ対策
  • 床下

なお、給湯器やトイレ・浴室については、マンションと同様に専有部分となり、同様の費用が発生します。その他の項目は、戸建て独自の費用となります。計画的な修繕により、住まいを長く健全に保つことが重要です。

マンションの維持費で気を付けることとは?

マンションの保守費用は、毎月の管理費と修繕積立金が主要な出費となります。これらの費用は、各部屋の所有者が組織する管理組合によって方針が決定されるため、維持費の適正性を確保するためにも、管理組合の運営にしっかりと関与することが重要です。以下に、マンションの維持費に注意すべき点を解説します。

値上がりや一時金の支出がある

修繕費用は修繕積立金から賄われるため、基本的に急な大きな支出は発生しません。ただし、新築マンションでは意図的に修繕積立金が低く設定され、数年ごとに値上げされる方式もあります。修繕積立金が値上がりするタイプのマンションを購入する場合は、将来の値上がり幅を事前に把握しておくことが重要です。

また、車を所有する場合は駐車場代がかかり、機械式駐車場の場合は維持管理や修繕、部品交換に多額の費用がかかります。エレベーターも共用部のため、修繕積立金で対応します。急な修繕が必要な場合、積立残高が不足する可能性があるため、一時金の支出が求められることもあります。

専有部の修繕は自己負担になる

修繕は全てが管理費や修繕積立金でまかなわれるわけではありません。専有部の修繕は自己負担となります。専有部の修繕では、トイレや浴室、キッチンなど水回りの交換に大きな費用がかかります。また、内壁を壊してリノベーション工事を行う場合は、数百万円単位の費用がかかることもあります。

管理費が適切な物件を選ぶ

マンションの維持費は管理費と修繕積立金が大きなウエイトを占めます。戸数や設備、管理の方法が維持費を左右します。しかし、これらは管理組合が決定するため、個人の努力で節約することは難しいです。契約前に管理費や修繕積立金が適正な価格になっているか確認することが重要です。

戸数や築年数も維持費に影響する

戸数や築年数も維持費に影響を与えます。戸数が多いほど負担が分散され、維持費が抑えられる傾向があります。築年数が古くなると修繕箇所や規模が増大し、維持費が増える可能性があります。エントランスやエレベーター、庭木の維持には費用がかかります。過剰な装飾や明るすぎるエントランスは管理費を増やす要因となります。

戸建ての維持費で気を付けることとは?

 戸建ての維持費は、住む人の管理の仕方によって大きく変わります。戸建ての維持費で留意すべきポイントを見ていきましょう。

工夫次第で維持費の削減ができる

庭の管理や外壁修繕などは、自らが行うか、定期的に依頼するかで費用が異なります。DIYで対処できれば、維持費を大幅に削減できます。新築物件は当面修繕が不要ですが、中古物件では改修が必要になることがあります。大規模な修繕になると、数百万円の費用がかかることも考えられます。

専門家に依頼すべきなのは、雨漏りや構造に関わる事項です。直接構造に影響しない箇所の修繕は、自分で補修する方が維持費の節約に有効です。

修繕費用は計画的に積み立てる

マンションと違い、一戸建てでは毎月の管理費や修繕積立金がないため、広さによっては駐車場代もかからないことがあります。所有者の方針で費用をかけるか抑えるかを決めることができますが、修繕積立金を徴収しない場合でも将来的な大規模な修繕が必要になることがあるため、計画的に積み立てが重要です。

耐久性のある材料を使用した戸建てを選ぶ

戸建ての最も高額な維持費は修繕に関するものです。新築から10〜15年で修繕が必要になります。特に雨漏り対策に関わる外壁や屋根の修繕工事が重要です。修繕をする場合は、耐用年数の長い塗装剤を選ぶと、後の維持費を抑える効果があります。中古住宅でも同様に、これらの耐久性のある塗装剤を使用しているかを確認することで、維持費を削減できます。

まとめ

マンションには管理費や修繕積立金があり、毎月の一定支払いが必要です。これにより、通年を通して見ると相当な金額になります。そのため、マンションの維持費は戸建てに比べて高くなりがちです。車を所有している場合、さらに駐車場代が加算され、格差は一層広がります。

逆に戸建てでは、修繕が必要な場合、全額自己負担になります。時間の経過とともに、外壁、屋根、防水、設備などの修繕や交換が避けられない状況が生じます。将来のために、修繕費を積み立てておくことが安心です。

マンションと比べ、戸建住宅の維持費が経済的である理由は、先に述べた通りです。戸建住宅は所有者が多くの決定を行うことができ、自分たちの好みに合わせたアレンジがしやすいのが利点です。

たとえば、省エネ住宅を選ぶことで、光熱費を節約することができます。

ランニングコストには見えにくい部分もありますが、さまざまな工夫を導入することで、総合的な維持費を抑えることができます。

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