【間取り】失敗例や考え方のコツは?一戸建ての間取りのおすすめを紹介

注文住宅を選択した場合、間取りを自由に決められるメリットがある反面、特に木造在来工法は「自由度が高すぎて、どのように決めればいいのかわからない」という人もいるでしょう。

この記事では、注文住宅における間取りの考え方を知りたい人に向けて、間取りを決める際の確認事項や失敗例などを解説します。

一戸建ての間取りを考える前に確認するべきこととは?

間取りを決めるうえで、確認しておきたいポイントが4つあります。以下で、くわしく解説します。

住宅用語を知っておく

専門用語の意味を理解できれば、住宅関連の情報収集がしやすくなるほか、担当者や現場の責任者との円滑なコミュニケーションをとる際に便利です。家の中で生活をして動き回る線を「生活動線」と呼びます。「居室」はリビングや寝室など、人が過ごす部屋を指します。キッチンやトイレは居室に含まれません。

その土地に建てられる建物の面積の制限は「建蔽率」「容積率」と呼びます。制限の割合は建築基準法や条例などで決められています。法律や環境などの土地条件を把握し、説明・提案出来る担当者を探すことが良い間取りを手に入れる第一歩となります。

家族で間取りの優先順位を決めておく

間取りを決める際は、家族で相談して優先すべきことを決めます。たとえば、現在の住宅に感じている不満や改善点のほか、理想とする間取りなどを洗い出します。ただし、すべての要望を取り入れれば、予算内におさめるのが難しくなります。優先度が高いものから決めていきましょう。

日当たりをチェックする

日当たりがよい住宅は洗濯物が良く乾き、室内も明るくなるため、暮らしの満足度が高まりやすくなります。ただし、日本には四季があり季節によって日当たりは日射角度が変わります。又、方角周りの建物、樹木、場合によっては山などによって左右されるので、住宅の向きを確認する必要があります。

北向きは1日を通して日当たりが悪いが明るさは一定、南向きは1日中日当たりがよい反面、夏は熱中症への対策が必要です。また、東向きは午前中の日当たりがよく、西向きは午後からは西日が強くなる傾向にあります。

周囲環境の確認も忘れずに

住宅への不満は、リフォームによって解消できます。しかし、土地は一度購入してしまうと簡単には買い替えするのが難しいです。土地を購入する際は、騒音・悪臭の有無や生活に必要な店舗、病院などが付近にあるか、近隣の居住者の状態などを確認しましょう。また、今の生活だけでなく、老後を見据えた生活環境かといった確認も大切になります。

周辺環境を確認する際は、時間帯や曜日によって違いがないかもチェックしましょう。

一戸建ての間取りで失敗しやすいポイント

間取りの失敗例を知ることで、目指すべき間取りのイメージを絞りやすくなります。以下では、5つの失敗例を紹介します。

ポイント1:生活動線

生活動線を考慮しない間取りでは、無駄な動きが増えます。とくに、調理や食器洗い、洗濯などの家事動線が長かったり、複雑になったりする場合は、移動に余計な時間がかかってしまいます。快適な動線をつくるためには、水回りやキッチンの行き来がしやすいシンプルな間取りにするといった工夫が必要です。

ポイント2:部屋

部屋の広さと配置する家具や家電製品とのバランスにも配慮しましょう。たとえば、ダイニングテーブルを設置する際は、イスの出し入れがスムーズに行える、食事をする際に隣の人とぶつからないなど、十分なスペースを確保できるかなどを確認する必要があります。また、部屋ごとに必要な動作を考えたうえで、適切な広さを見極めることが大切です。

ポイント3:収納

快適な住環境を整えるうえで、部屋の広さは重要なポイントです。ただし、広さだけを重視すれば収納スペースが少なくなり、部屋に物があふれる可能性があります。生活必需品や衣服などを収納する場所だけでなく、扇風機やヒーターなどの季節ごとに使用する家電製品や、日用品のストック、防災グッズなどのスペースも確保しましょう。

ポイント4:階段

2階以上の住宅では、階段下の空きスペースを利用していないというケースも少なくありません。階段下の空間は収納スペースとして有効活用できます。ただし、階段下にリビングなどがある場合は、家具が配置できる高さが十分に確保できているかを考えるのもポイントです。

間取りを検討する際は、階段下の高さや動線なども考慮して、空間を有効に活用しましょう。

ポイント5:外からの視線

人通りが多い道路に面している場合、土地の高さや間取りなどによって、外から室内が丸見えになってしまいます。外からの視線を遮る対策として、塀を立てる方法もありますが、塀が高すぎれば採光が悪くなり、部屋が暗くなる可能性があります。

道路と窓との距離を十分にとり、視線を防ぎながら採光の工夫をしましょう。

おしゃれな間取りを考えるポイント

おしゃれな間取りにしたい場合は、以下で解説する2つのポイントを参考にしてみてください。

できるだけカラーを統一する

さまざまなカラーを取り入れると、統一感がなく雑多な印象を与えやすくなります。まずは、ベースカラーを決めて、アクセントとなるカラーを入れるかどうかを判断すると、統一感を出せます。インテリアだけでなく、配置する家具のトーンもあわせて考えておきましょう。

照明にも気をつかうと間取りが引き立つ

照明の選び方次第で、間取りも引き立ちます。たとえば、シーリングライトだけでなく、スポットライトやダウンライトなどの複数の照明を取り入れられる間取りにすれば、空間ごとに異なる雰囲気を演出できます。

おすすめの一戸建ての間取り

さまざまなアイデアを見聞きすれば、間取りのヒントがみつかるかもしれません。以下では、一戸建てにおすすめな5つの間取りを紹介します。

おすすめの間取り1:対面型キッチン

対面型のキッチンは、壁側ではなく、リビングやダイニング側に面しているキッチンのことを指します。キッチンに立つ人は、リビングやダイニングを一目で見渡せるため、調理や食器洗いをしながら、リビングやダイニングにいる家族との会話を楽しめます。

また、子どもやペットの様子を見守りたいという人にもおすすめの間取りです。

おすすめの間取り2:パントリー

パントリーとは、食品庫などとして活用できる収納スペースです。キッチン横に設置した場合、常温で保管できる食品やストック用の生活用品、リサイクル用のゴミ箱などを収納する際に便利です。

なお、パントリーの設置場所は、玄関や勝手口への動線を考慮する必要があります。キッチンと玄関に近い場所に設置すれば、まとめ買いをした際にも荷物の搬入が楽になります。

おすすめの間取り3:家族共用のクローゼット

家族共用のクローゼットは、家族の衣服や生活用品などをしまっておける収納スペースです。ファミリークローゼットとも呼ばれています。なかでも、通路を隔てて左右の壁に棚が設置されているタイプのウォークインクローゼットは人気があります。どこに何があるのかが一目で確認できるため、洗濯物を戻す際も便利です。

おすすめの間取り4:和室コーナー(畳コーナー、小上り)

リビングの一角に畳のコーナーを置けば、和の雰囲気を感じられるリラックス空間を設けられます。一般的に、仕切りとして引き戸を設置するケースが多く、閉じれば独立した空間をつくれるため、来客を泊める際にも便利です。

引き戸を開けておけば、開放感のある空間を演出できます。座ったり立ったりする動作が楽にできる小上がりタイプの和室もおすすめです。

おすすめの間取り5:玄関の土間収納

玄関の土間スペースに大容量のスペースがあれば、靴以外にもベビーカーや三輪車、傘、スポーツ用品などを収納する際に便利です。なかでも、室内から行き来できるウォークスルータイプの土間収納は、外履きに履き替える手間を減らせます。

また、換気しやすい間取りにすれば、レインコートなどもかけたまま乾かせます。

間取りを考えるときの注意点

間取りを決める際の注意点について解説します。以下の5つのポイントに配慮しましょう。

おしゃれさだけでなく、実用性も考える

おしゃれを重視した間取りにすれば、実用性を失う可能性があります。たとえば、開口部を広くとり、大きな窓を設置した場合は、カーテンをオーダーメイドにする必要が出てきます。また、吹き抜けにすれば、掃除や電球の交換時に不便さを感じやすいです。

生活動線を想像する

家族が暮らしやすい間取りにするためには、生活動線を具体的にイメージする必要があります。間取りをある程度決めたら紙などに描き、動線を線で表現して動きにくい部分がないかの確認をしましょう。

家具や家電の大きさも考える

大型の家具や家電を持ち込む場合は、間口の広さを考慮しなければなりません。たとえば、搬入時に十分な広さがあるか、家具・家電によってコンセントがふさがれないか、ドア・窓の開閉で干渉しないかなどを確認しましょう。

ペットがいる場合の間取りを工夫する

新居でペットを飼う場合は、ペットに配慮した間取りに工夫できます。たとえば、排せつ物の置き場所や、散歩後などにケアができるスペースを設ける方法があります。また、来客や配達員などへの飛びかかりや道路への飛び出しを防止する間取りもおすすめです。

こだわりすぎると予算をオーバーすることも

一戸建ての建築は、人生のうち何度も経験できるものではありません。そのため、要望を詰め込みすぎて予算オーバーになるケースもあるでしょう。予算内におさめるには、間取りの優先順位をつけることが重要です。ただし、コストを削る場合は生活に支障が出ない範囲に留めましょう。

まとめ

一戸建ての間取りを決める際は、住宅用語への理解や失敗例、注意点などを把握しておくことが大切です。ポイントをおさえて、暮らしやすくおしゃれな間取りを検討しましょう。間取り選びに悩んだ場合は、住宅のプロに相談してみてはいかがでしょうか。